義務教育費国庫負担制度ってご存知だろうか?
山間・へき地・離島など、子どもが何処に住んでいても、義務教育がきちんと受けられることを保障する制度だ。
今、この制度の存続が危ぶまれている。「三位一体改革」の中で存廃が大きな焦点となっているのだ。
この改革案は、教員の数を2割程度減らして国庫負担を軽くしようと言うのが狙い。
しかし、子どもたちが犠牲になるようなことがあっては、賛成は出来ない。どんな地域に生まれようと同じ教育が受けられるのが、義務教育である。
今、日本PTA全国協議会が、地域差によって教育格差が生じるおそれがあることから、この制度の存続を小泉首相へ直接訴えるための署名活動を始めた。
教員の資質を高め、人数が減っても、教育レベルを落とすことがないのであれば納得もいくだろう。
しかし、現実問題、子どもの学習は、今や学校だけでやっているものでは無い。塾や家庭教師を付け、学校外で学習させている家庭も多く、子どもたちの習熟度に大きな格差が出てきている。私立を受験させようとする家庭は、義務教育の範囲以外から出題される試験に対応するためには、進学塾を頼らずを得ないのだ。
もちろん、この格差は、一生涯続くものでは無く、本人の努力でいつでも挽回出来る。しかし、学校現場で、この格差が付いた子どもたち一人一人にやる気と向上心を持たせるためには、それぞれ子どもにあったハードルを準備してあげる必要がある。
習熟度別授業がベストなのだが、その為には、教員人数の確保が不可欠なのだ。
今の学歴優先の社会が変わらない限り、子どもの義務教育は、学校外で勉強する環境の無い地域や恵まれない家庭の子どもたちへこそ、加配教員を増やしてしっかりやって欲しいものだ。
ただ単に、教員の数を減らすなと言う、教員からの要請でPTAに署名活動をさせるなら、私は署名をしない。
しかし、ほんとうに、学校教育にしか頼れない家庭やへき地の子どもたちにしっかり教育の機会を与えよう言う目的であれば、この署名活動には賛同する。
この署名は、10月6日締め切りで全国の公立小中学校で受け付けている。
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