本日、田川市市民会館で定数学習会が開催された。
定数学集会と聞いて何の事だかわかる方は少ないだろう。
前にもこのブログで書いたように、教員には加配教員と言う立場の教師がいる。
加配教員とは、同和加配制度(同和教育推進教員制度)と言って同和地区の学力格差をなくす目的の為、配置された教員のことを言っていた。しかしこの制度は2002年3月に特別法の終了と共に廃止された。その後、「同和地区」の有無に関係なしに、児童生徒の学習、生活、進路などの指導をおこなうための加配制度が同年4月から新たに発足している。
田川市においては、後藤寺小学校は、加配教員の配置により子どもたちの習熟度別授業を行うことにより、3年間で全国平均を2ポイント低下していた学力を3ポイント上回る学力向上の実績を出した。金川小学校では、保育園との連携を行い就学前の児童を持つ保護者に対して子どもの学習意欲向上の為の学習会を持つなどして子どもたちの学力向上に努めてきた。
このように、通常の40人学級のクラス運営だけでは出来ない、学力向上の為のプランニングを主に行っているのが加配教員の先生方だ。
この加配教員の人数を県や自治体に要求するための、学習会が「定数学習会」なのである。
この加配教員の給与財源は、県負担と義務教育国庫負担金に分かれる。
県負担を「県単少人数加配」、国庫負担分を「指導方法工夫改善教員」「児童生徒支援加配」と言う。
文部科学省では、公立小学・中学校が自らの裁量で学級編成を行えるように「義務教育標準法」を改正する方針を固めた。これまでは、国がしめした1クラス40人以下という標準のなかで、都道府県が学級の児童や生徒数を決め、それにもとづいて市町村が学級編成を行ってきた。法改正後は、学級編成の権限は学校に移り、学級定数の基準を決める権限も都道府県から市町村に移ることになる。改正案では、国がしめす「40人学級」の標準定数は変わらないが、必要最小限の教員数に、習熟度別指導などのために配置された加配教員を活用して、学校ごとの学級編成を行うことができるとしている。
ところが、国は、この財源は地方自治体にゆだね義務教育国庫負担金は縮小させる方針だ。これには地方自治体も黙っていない。財政難を理由に教員の削減を打ち出してきたのだ。これでは義務教育が崩壊してしまう。
事実、福岡県は県単少人数加配を来年度から0にする方針だ。
全ての子どもたちに学習意欲を持たせ、学力格差を少なくしていくためには、家庭の経済力に左右されない学校教育に本来の学習の場を戻し、人格形成や人間教育においても学習のイニシアティブを学校が持つべきだ。
その為には、教員の人数の確保もさることながら、教師の資質の向上も併せて取り組んでもらわなければならない。
定数学習会は、次回は各校区単位に分かれて実施される。
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